ジャレド・ダイアモンド「文明崩壊」第2章イースターに黄昏が訪れるとき を読んで

sakunou2006-01-02


昨年12/26の本ブログ「縄文人やインディアンが「善」で弥生人や現代人が「悪」なのか」で、発売されたばかりのジャレド・ダイアモンド氏の新しい著作「文明崩壊」を紹介しました。早速書店で購入し、年末年始の空いた時間の中で少しずつ読み始めたところです。

一冊が400ページを超える上下巻の構成になっており、ボリュームのある本です。上巻の構成は次のようになっています。

アマゾンでは、発売後間もないにもかかわらず続々とカスタマーレビュー(書評)が寄せられ、日本においても関心の高さがうかがえます。
アマゾンカスタマーレビューから

今年のベスト, 2005/12/27
レビュアー:tnk (東京)
前作「銃・病原菌・鉄」がおもしろかったのですぐに買いました。読み始めると、前作以上にすいすいと読めました。
古代文明の崩壊を描く上巻は、収集された膨大な事実、その適切な整理、丹念な論理の積み上げが見事。現代社会を扱う下巻では、具体的な方策やビジョンへの言及も加わる。強力な論理構成のバックボーンとして、人間を見る目の温かさ・優しさを感じました。
今年読んだ本の中で文句なしのベストワン。

私は「第1章 モンタナの大空の下」が難解というか主旨が汲めずに手こずりました。モンタナ州はカナダと国境を接する、農業や鉱業、観光を主とする、現代のアメリカの中では貧しい州のひとつです。そこの政治・環境・財政・産業などの問題について書かれていたのですが、これが本書のテーマとどう結びつくのか今ひとつ理解に苦しみました。

それ故に第2章以降どうなってしまうのかと心配したのですが、2章に入ると俄然面白くなり、ぐんぐん引き込まれていきました。2章は「イースター島」について書かれたものです。言わずと知れた「モアイ」という石像で有名な島です。私がこの島についての前知識がなく、漠然としか知らなかったからなおさら面白く感じたのだとは思います。これまでにも、イースター島の謎について研究は行われており、著作もあるのでしょうから、それらを知っている人にとってどの程度新しい知識が述べられているのか分かりませんが、私にとっては驚くべき発見の数々でした。

この章を読み終えて、イースター島に対する認識ががらっと変わってしまった私は、すでにイースター島への旅を空想し始め、ツアーの検索を行い、旅費を確認している次第です。40万円くらいで行けるようなので、いつか実現したいと考えています。

このイースター島の事実について書かれた2章のポイントを、次回に紹介したいと思います。
<つづく>

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)

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