NHKの存在をどう評価するか

これまで年末年始は、NHKスペシャルの再放送をまとめて放映することが多かったので、今年も期待してHPで番組表を見てみました。http://www.nhk.or.jp/winter/ch1.htm

ところが、再放送があるだろうと思った「新シルクロードシリーズ」はBSでしか放映しないようで、BS契約をしていない我が家は見ることができません。ちょっとがっかりしたのと腹が立ったので、NHKに次のような意見を送りました。(意見は400字以内という制約あり)

普段はほとんどテレビを見ることがありませんが、受信装置を設置しているという放送法?に則り毎月受信料(地上波)を払っています。
年末年始の番組編成には期待をしていましたが、先ほど番組表を見てがっかりしました。仕事も休みになるこの時期に、NHKならではの良質な番組の再放送を楽しみにしていたのですが、シルクロードもBSでしか放映しないようで、その他期待出来そうな特集も見あたりません。過去には年末年始に良質な教養番組等の特集を組んでいたように記憶しています。そういう番組を視聴したい人は、BS料金も払って契約しろ、という方針なのでしょうか。であれば、テレビアンテナをはずして契約を破棄し、そのうちビデオで販売されたものを図書館で借りて見れば事足ります。番組制作が厳しい環境かと思いますが、年末年始の再放送くらいはケチらなくてもいいのではないでしょうか。

実際今年の途中から、シルクロードシリーズを放映していることは知っていました。その時間に見れなくとも、録画をしておけば見れたのかもしれませんが、毎月一回のシリーズに対してそれほど注目していた番組でもないし、生活に余裕もないので、年末年始にまとめてくれるのが一番ありがたかったわけです。

今巷では、NHK再編問題が盛んに論じられているようです。
産経WEBhttp://www.sankei.co.jp/news/051218/morning/18iti001.htmより

NHK揺らぐ公共性 改革論議本格化
竹中氏ら民営化も視野/民放連は有料化に反対

 受信料不払い増加をきっかけに噴き出したNHK改革の論議。公共放送のあり方をめぐり民営化を含めた経営形態の見直しを進めようとする政府・与党と、公共放送と民放という「二元体制の維持」を求めるNHK、民放の主張がくっきり分かれた。不払いが視聴者の三割に達した受信料制度の改革は待ったなしだが、あくまで公共放送を維持するのか、有料化から民営化への道を歩むのか。二十一日には政府の規制改革・民間開放推進会議が一部の有料化を求める答申を行うとみられ、論議は本格化する。(NHK問題取材班)

≪政府・与党≫
 「すでに受信料制度は破綻(はたん)している」
 今月六日に規制改革・民間開放推進会議議長の宮内義彦オリックス会長は、こう言い切った。
 答申では、BSデジタル放送について受信料を払った世帯だけが見られるスクランブル化を盛り込み、将来は地上デジタル放送にもスクランブルを拡大すべきだという考えを打ち出す方向だ。
 いわば、現行の受信料制度から、見たい人だけが支払う有料放送化に踏み出すことを求めている。
 また、竹中平蔵総務相も六日、「なぜNHKで不祥事がこんなに続いているのか。オープンに議論すべきだ」と、NHKの経営形態見直しなどを掲げた私的懇談会を設置する意向を表明。受信料制度をはじめ、組織のチェック態勢、さらには有料化や広告導入も論議の視野に入れているといい、「宮内氏との連携でNHKの民営化を推し進めようと考えているのでは」(NHK関係者)。

 政府の動きの一方で、自民党電気通信調査会の小委員会(委員長、片山虎之助総務相)も絡んでくる。
 先の総選挙で郵政族議員の多くが党外に出たこともあり、片山元総務相は「政府・与党で論議する本格的な場はこの小委員会だ」と、その権威を強調する。
 小委員会では「スクランブル化は公共放送の性格をゆがめる」との意見が出るなど宮内・竹中路線を牽制(けんせい)する動きもあるが、「金融や郵政の改革で、官僚はもとより国会議員の動きも無視してきたのが小泉−竹中ライン。NHK改革でどれだけ官僚や議員に配慮するか」(ある民放事業者)と、小委員会の影響力に疑問を投げかける声もある。
 NHK改革では、小委員会が通常国会での放送法改正を、竹中総務相が政府の骨太方針への盛り込みをそれぞれ狙う。国会会期末と政府の骨太方針の閣議決定が重なる来年六月が大きなヤマとなるのは間違いない。

≪強い危機感≫
 こうした政府・与党の動きに、NHKや民放の危機感は強い。
 スクランブル化について、NHKの永井多恵子副会長は「スクランブルをかけた時点で、公共放送とは性格が異なってくる」と反論。スクランブル化や有料化がNHK離れを助長しかねないという不安も強く、現行の受信料制度を死守する方針を崩していない。
 また、スポンサーや視聴率を気にせずに番組制作ができることを“強み”に、伝統文化の継承などNHKならではの質の高い番組を生み出してきたことも事実だ。
 ただ、不払いが徴収対象の三割という現状が続けば、視聴者の不公平感が募り受信料制度が崩壊に追い込まれるとみており、NHKは簡易裁判所を通じた支払い督促などの法的措置という「最終手段」に来年度から踏み切る。
 あるNHK幹部は「視聴者の反発も考えられるが、受信料制度を維持するため『背水の陣』で臨む」と打ち明ける。

≪援護射撃≫
 民放も、NHK擁護に懸命だ。日本民間放送連盟日枝久会長は「NHKの有料化は、豊かな放送文化を築いてきた公共放送と民間放送の二元体制を壊す」。TBSの井上弘社長も「スクランブル化を言うのは簡単だが、そう簡単に金を払って見るかということもあり、NHKの経営健全化に向けてのいい案とはいえない」と述べ、「共存共栄」を訴える。
 こうした民放側の支援の根底には、NHK民営化への恐れがある。子会社や関連団体を含めると約二万人を擁する巨大組織が民営化されれば、民放の経営が圧迫されることは確実だからだ。
 さらに平成二十三年に完全移行が予定されている地上デジタル放送の技術開発や中継所建設では、NHKの体力に頼っている現状もあり、「対岸の火事」では済まない事情もあるようだ。

あきらからに中韓に肩入れをしている現在のNHK左傾化した報道姿勢には大きな問題がありますが、良質な番組、特に教養番組に関しては民放にはできない状況があります。いつかも、マンモスの絶滅の謎に迫るという物いりで民放で放映した「ファインディングマンモス」という特集番組は、全く内容のないお粗末なもので、金を払ってないのに「金を返せ」といいたくなる代物でした。

ゲームがはびこって、テレビすら見ないという日本の現状の中で、民放番組の質の低下が叫ばれています。実際これといって見たい番組が見あたらない中で、視聴率のみに左右されない良質な番組作りは、どうしてもNHKに頼らざるを得ないと思うのです。

よく引き合いに出されるイギリスのBBCについて解説したサイトがあったので転載します。

西正が贈るメディア情報http://plusdblog.itmedia.co.jp/nishitadashi/2005/12/post_1dd8.htmlより

公共放送は英国のBBCが典型。国営でないので、税収でなく、受信許可料を国民から徴収して放送を行う。民放は商業放送なのでCM収入により放送を行う。公共放送は国営で無いが故に、必要とあらば国家(時の権力)を批判する。英国BBCは英国軍のイラク出兵に終始反対の姿勢を貫いただけでなく、第二次世界大戦中ですら英国の軍略を批判していた。ジャーナリズムの模範的な存在。CM収入を得る民放は、どうしてもスポンサーに不利益な放送をしにくい面がある。CMと受信料の二本立ての公共放送も存在するが、電波事情などから放送局を幾つも持てない国に見られる形態である。BBCは5年に一度、国民による信任投票が行われ、その必要性が確認されている限り、受信許可料の徴収には強制力を持ち、不払い者は投獄される。

郵政でもそうですが、中身のない民営化には反対。国民の意識を左右する、つまりマスコントロールを行うことができる巨大メディア、それが新聞とテレビです。真に日本人の利益のために、責任と自覚を持ったメディアであって欲しい。それすら現状は理想とかけ離れた空しい状況ですが・・・