国勢調査に見る人口のあるべき姿と少子高齢化
5年に一度の国勢調査が10月1日から行われるのにともない、既に調査票が各戸に配布されています。政府の周知・広報活動の中、先日ラジオの番組でもそれに関連する話題が語られていました。
現在日本の中心的話題というか政治課題として取り上げられているのが、「少子高齢化」ですが、国勢調査を取り上げたラジオ番組を聞いて注目したのは、次のような論点でした。
5年前の国勢調査では、30代前半の未婚率(離婚独身は含まない)が、男性で40%以上、女性でも30%以上あったが、今回の調査でこの数値がさらに上がるのではないか。ともすると、30代前半の男性のうち、2人に1人が未婚の独身ということになりかねない。当然、同じ世代の女性の未婚率も上がると思われる。
このような状況が背景にあって、「負け犬」とか「お一人様」という言葉が流行しているのだということです。
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上記の本が話題になり、「負け犬」という言葉はよく聞いていましたが、「お一人様」という表現は初めて聞きました。いずれにしても、少子高齢化の波は、私の小さな町でも「幼稚園の統廃合」という形で身近な問題として迫っており、日本全国、多くの人が実感しているところでしょう。そして、今回の国勢調査の結果が、その傾向をきっちりと数字で証明することになるとすれば、自ずとその結果に注目せずにはいられない重要な調査であり、これまで以上にしっかりとかみしめて調査票に記入したいものです。
ところで、「学問の部屋」としてはここでもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。そもそも人口増加と共にあった右肩上がりの経済は、地球の大きさが有限である以上、最初から行き詰まることが目に見えていたはずですが、かつての経済学はそのことを全く無視していたように感じています。
かつて(20代のサラリーマン時代)公害や環境問題に恐れおののいていた私は、諸悪の根元は増えすぎた人間にあると信じて疑わなかったので、自分としては結婚しないか、しても子どもは作らないと心に決めていたほどでした(しかし、現在3人の子供がいることへの心境の変遷は機会があればいつかどこかで披露しますが)。
地球規模で見て、今でもこの考えは間違っていないのですが、このことはどう解釈すればいいのでしょうか。ここから先は、私の尊敬する学者の論理を参考にして述べていきます。
「自然」を超えた人口の爆発は、やはり「食糧生産」の始まりがきっかけとなっています。「食糧生産」とは、農耕(栽培)と家畜(畜産)のことです。食糧生産は単に人口を増やしただけでなく、非生産階級、つまり文人や軍人を作ることが可能であった故、その組織力から、狩猟採集民族を次々と駆逐していく歴史が始まります。
つまり、人類として、民族として生き残るためには、狩猟採集から食糧生産へと生活形態を変えるしかなかったのです。さらに、農耕民族同士の戦いとなった場合でも、より人口が多く、集約されていた地域のほうが、重要な発明をより早く起こして伝えることができたために、そうでない地域の民族を滅ぼしていったのです。
元々、人類の進化の歴史は、ハンターとしての歴史でした。狩猟技術の発展と共に、人口を増やしながら、大型動物を捕り続けてきました。しかし今から約1万年ほど前、マンモスをはじめとする、ほとんどの大型動物を捕り尽くしてしまったとき、獲物を失った人類は、本来その人口を減らしていく運命にあったはずです。しかし、そのタイミングで食糧生産を発見してしまった人類は、さらなる人口の暴発を続け、今日まで生き抜いてきてしまったのです。
日本が少子高齢化で、人口が減っていくということは、貧しくなるけれども、環境的にはいいことかもしれません。しかし、今までと同じように生活出来るとは限りません。新しい哲学や思想の元に、生き方を転換していくことが求められると思います。私は私なりにその考えを確立しており、そのことは近いうちにきっちりと示していくことになると思います。
*私の尊敬する学者の理論
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