「出来っこねー」という発言

「出来っこねー」。この言葉は方言か口語かわかりませんが、文語で言えば「出来るわけない」です。
今日は時間もないので、問題提起だけにしておきますが、私の嫌いな言葉の一つです。
人が「出来るわけない」と言うとき、それは科学的・物理的な問題として、たとえば「お前、百メートルを5秒で走ってみろ」と言われた時に、それが出来ないことは明白な事実で、その言葉の通りです。しかし、多くの実例があって、やれば出来るかもしれない挑戦に対して(それをやってみて出来なかったという経験があるわけでもないのに)、単なる想像からその言葉を発する人(多くの場合大人)がいたときに、私は嫌悪の念を抱きます。
もっと端的に言えば、私が実際にやり遂げたことや、やろうとしてることに対して、「普通は出来るわけない」とか「そんなこと出来るわけない」と言われると頭に来る、ということです。
これは現代の日本人のニヒリズムの問題で、さらに砕いて言えば、近代文明と高度成長で金を儲けて楽をしすぎた大人達の堕落の証明です。挑戦を忘れた「出来っこねー」大人達の発言や態度が、若者に与える影響を考えると、それを放っておく訳にはいきません。
「出来るわけない」という大人の心理は、単に自分が「やりたくない」という逃避行動の表れだと私は思います。時間が出来たら、この問題の精神分析をやりたいと思います。