政治家に深い勉強を期待できるのか?

私はほとんどテレビを見ませんが、先日の「たけしのTVタックル」の靖国参拝についての感想をネット上で読みました。
出席者は、大竹まこと末松義規高野孟平野貞夫阿川佐和子ビートたけし三宅久之西尾幹二佐々淳行城内実山本一太でした。
このリストを見たときに、私は「どうして大した意見も持たず考察も浅い山本一太氏が、毎度テレビに呼ばれるのだろうか」と改めて考えました。
山本氏は地元の参議院議員で、私も少なからず面識があります。彼の父親の実績等が地元の年配者からよく語られますが、私はしばらく群馬を離れており、知りません。経歴によれば、「1995年 参議院自民党幹事長だった父、山本富雄元農水大臣の急逝を受けて第17回参議院議員通常選挙に立候補し当選」となっています。
彼との面識とは次のような場面です。
・JA青年部の青年の主張群馬大会というような、若い農業者の大したことのない言論大会に参加した折に、山本氏がゲストとして講演。農業者相手の席だからか、「バイオマスに関心がある」ような発言をしていたので、質疑の際に私が、「群馬で唯一のバイオガスプラントというものを自宅に建設してあるのだが、ぜひ見学にきて頂き、国政に反映して頂きたい」と質問したところ、「それは必ず行きます。後日秘書に連絡を取らせますので」と回答したが、その後音沙汰なし。
・私が町議になってから、国政選挙の折に(おそらく彼は群馬県中のおおかたの議員の家を訪ねているのだと思うが)、我が家にも2度ほど訪れた。それ以外にも、地元の議員の報告会などの席にもよく顔を出し、雑談の席でも会話をしたことがある。

このような中で、私は、しょっちゅうテレビに出演している山本氏に対して、社会的な発言力影響力があるのなら、ぜひ伝えたいことがあるので、聞いてもらえないかと思っていました。それは、彼が朝生で、いつも小林よしのり氏と同席しており、しかも、山本氏は「自分は保守である」と言っているのですから、真剣に日本の将来を保守の立場で考えて欲しいということです。

それで、山本氏が、選挙の関係でうちに来た際に言いました。
小林よしのりさんのわしズムは読んだことがありますか」
「いやないです」
「実は私も執筆して、連載しているのです」(と言って現物を渡す)
「ああ、よしりん、彼は面白いですよねー」
「これ、絶対ためになるいい本ですから、ぜひ読んでください。後で送りますよ。」
「そうですか、じゃあ送って下さい。」
と言って、町会議員の私が、自腹で、国会議員の山本氏にわしズムを贈呈しましたが、その後何の音沙汰もありませんでした。

彼は、朝生で小林氏に「保守を自称する割には甘ちゃんだ」と喝破されていますが、今回のTVタックルでも、次のように発言しています。

私も今の段階で中国に言われて参拝をやめる事はできないと思うし、行くべきだと思う。私も整理しなきゃいけないし、なるべく短くいいますけれども、靖国参拝賛成している人たちも、二つに分かれるんですよ。一つは靖国参拝A級戦犯と言うのは戦争犯罪人じゃないと、もっと言えばあの戦争は間違った戦争じゃないと、だから中韓にいちいち言われる事はないし総理がいくべきだと言う人と、小泉総理みたいに最初の参拝の時も言ってましたが過去の一時期に間違った国策でアジアの人たちに迷惑をかけたとを反省して十分ふまえて戦後もやってきましたと、不戦の誓いの為に行くんですと、追悼のために行くんですというのとは違いますから、私は小泉総理の立場に近くて、そういう気持ちの上で総理が行くについては中国に言われて止めることはないと思います。

これに対して、西尾幹二氏は次のように発言しています。

靖国に行くのは山本さんは平和のための祈りであると、それは賛成といいましたが、そうじゃありません。靖国にお参りにいくのは一旦緩急あれば日本人は立ち上がるぞという誓いのために行くんですよ。確かに敗戦責任者と言うのはいると思います。国民に不幸な失政を与えた責任者はずいぶんいると思いますよ。特定の個々の戦場の場面で私は・・・指導者と国民が明確なラインを、指導者が国民を操ったと言うのは戦後に出来た観念なんですよ。日本は党が指導したんではないんですよ、日本はドイツと違ってですね指導者と国民との間にはっきりとした区別はつかない。国民に無用な苦労を与えた指導者はいたと思いますけれども、国際法廷で裁かれるような戦犯はいないと言う事です。

上記二人の論理のうち、どちらが正しいと思うかというアンケート調査をすれば、今現在の日本では、私が正しいと考えていることと逆の結果になるかもしれません。しかし、A級戦犯と言われた人たちの名誉回復が、戦後まもなく当時の社会党の堤ツルヨ議員らを中心として行われ、圧倒的な国民の支持(署名)の元に、靖国合祀が行われた事実を知っていれば、単に今生きている人が不戦の誓いに行くという結論にはならないと思います。
国会議員は忙しいといいます。実際山本氏が吉井に来るときも、葬式のため遅れたり、集会に行くからと中座していきます。様々な団体の役員をやって、顔を出しているでしょう。学者のように思想を極めても、選挙では通りません。しかし、山本一太氏はかつて「3期目以降国会議員をやるかわからない」と発言しています。それならば、保守を自称するならば、先鋭的な思想を持った政治家として燃え尽きて欲しいと思います。

*現在の山本氏は、小泉首相の忠実な代弁者としての役割で、マスコミからお声がかかっているのでしょう。