私のPC履歴4 NEC・PC−9821CanBe 「インターネットに接続する」

CanBeを買うまで「インターネット」という言葉は聞いたことはあったが、それがどういうものなのか知らなかった。石川にいたときに少しだけ、ニフティの「パソコン通信」でフォーラムに書き込みをしたことがあった程度だった。

ご存じのとおり、ニフティ富士通のサービスである。NECのサービスは今はBIGLOBEとなっているが当時はPC−VANというものだった。

CanBeを購入してから、インターネットに接続するにはプロバイダーと契約しなければならないことは理解した。では、どこのプロバイダーと契約すればいいのか。パソコン通信とインターネットはどうも違うものだということが分かりかけていたが、では、ニフティやPC−VANに加入すればインターネットに接続することができるのだろうか、ということが分からなかった。CanBeにも、プロバイダーに契約するためのソフトがインストールされていたり、パンフレットが付いていたりしたので、それを参考に入会を検討した。

パンフレットなどを読むうちにおおよそ理解できるようになった。たとえばニフティではパソコン通信がメインであったが、そこに入会すればインターネット接続もできる、と書いてあった。また、NECのPC−VANも同じような条件だったが、PC−VANのインターネットサービスはBIGLOBEという名称になっているようだったが、理解するのに時間がかかった。

いずれにしても、初めて入会・契約することであり、上記の2社のどちらでもよかったので、インストールされていたり付属のCDの入会ソフトを使うなどして契約にチャレンジしてみた。

ところが、何が原因か分からなかったが、どちらともオンラインでの契約ができなかった。原因を探るべく、プロバイダーの窓口に何回も電話をかけて、言われるとおり設定を変えたりしたのだが、結局うまくいかず断念した。NECのパソコンなのだから、PC−VAN(BIGLOBE)ならすんなりいくと思ったのだが、こちらも同様にだめだったのである。

これまでパソコン通信のサービス会社として名前を知っていたニフティとPC−VAN。そのどちらとも契約をすることができなかったのであるが、そこでしょうがなく、付属のCDにあったMSNで入会接続を試してみることにした。
MSNはOSを提供しているマイクロソフト社のプロバイダーサービスである(今はないが)。三度目の正直か最期の神頼みか分からないが、MSNへの入会を試してみたところ、すんなりと手続きが進み、ようやくインターネット接続の環境が実現したのであった。

ただ、当時はHPというものは少なかった。特に日本のHPはそれほどなかったと思う。インターネットでは無修正のエロ画像が見れるというので、私も類に漏れず試してみた。それにしても、当時のPCのスペックでダイヤル接続の低速通信であったので、頻繁に利用するということはなかった。

晴れてプロバイダと契約することができたが、当初使い方はよく分からなかった。特に「アドレス」の概念を理解できていなかったので、メールの使い方が不明だった。ある時、京都にいる友人が、メールアドレスを教えてくれてメールを送るように催促された。ところが私はHPのURLにそのアドレスを入力してしまい、メールを送ることができずにいた。結局電話で彼に教わり、初めて「メールソフト」であるoutlook expessというものの存在を知ったのである。

それでようやく電子メールの使い方が分かったのである。その結果メールというものの利便性を理解し、以降頻繁に使うようになっていった。接続時間によって課金される、電話回線やプロバイダの料金を常に気にして使わなければならないHPの閲覧よりも、あらかじめ打ち込んだ文書を送ることができる「メール」の方が、インターネットの使い方としては有用だったのである。

その後、あるミニコミ誌に連載をすることになったのだが、ワープロで打ち込んだ原稿を、離れたところにいる編集担当者に送るのに、電子メールは大変役に立った。

こうして、CanBeでのインターネットの使い方も分かってきたのであるが、まだ当時としては自分のHPを立ち上げるという環境にはなかった。しかし、その「思い」はあったようである。その当時に出版されていた、宝島社の「ホームページの作り方」を解説した本を買っていたのである。ただそこに書かれていたのは、タグ文によるHPの作成方法であり、当時の私には理解することができず、CanBeで自分のHPを作成するには至らなかったのである。