私のPC履歴2 NEC・PC−9821CanBe 「便利だったTEL/FAX機能」


CanBe(PC−9821Cb3)はwindows95搭載パソコンで、写真で分かるようにディスプレイと本体が一体型になったPCである。本体重量が22kgであり、相当重いので、置き場所は固定されることになる。定価は298,000円となっているが、95年11月に発売されたこのPCを、翌年(何月かは忘れたが)藤岡市のコジマ電気で購入した。198,000円だった。

スペックは次のとおり。
●CPU Pentiumプロセッサ(75MHz)
PCIチップセット VLSI Supercore594(Wildcat)かIntel 430FX(Triton)※ロットによって異なる。[PCI Rev:2.0]
●メモリ 標準16MB、最大128MB
●ウィンドウアクセラレータ CIRRUS LOGIC社製 GD5440 (VRAM:1MB) 本体に内蔵(ローカルバス接続)
●フロッピィディスク 3.5インチ x 1(3モード対応)
●ハードディスク 内蔵(850MB)
●CD-ROM 内蔵(4倍速)
サウンド  PCM録音・再生機能、FM音源機能(86音源互換)、拡張FM音源機能(FM音源最大20音)
●汎用拡張スロット 2スロット(1スロット占有済み)
●その他拡張機能 FAXモデムボード専用スロットx1(占有済み)MIDIサブボード専用スロットx 1
●ディスプレイ 本体内蔵型14インチCRTディスプレイ最大解像度1024 x 768(自動切り替え)
●本体外形寸法 355W) x 435(D) x 449(H) mm
●本体重量(モデル名) 約22.0kg
●発売 1995年11月
●備考 TV機能/ビデオキャプチャ機能搭載(汎用拡張スロットに実装で1スロット占有)
 FAXモデム搭載[DATA/FAX:14400bps](PC-9821CB-B04同等品を専用スロットに実装)
 赤外線通信機能搭載(IrDA 115,200bps)

先に紹介したように、このPCはテレビチューナー付き、つまりPCでテレビが見られたのである。今ではノートPCにも地デジチューナーが付く時代であるが、当時のスペックでテレビパソコンを作ったというのは、無謀ともいえるし果敢な挑戦であったともいえる。当然テレビ番組の録画はできない。CDはROMだしHDDは850MBである。それでもビデオキャプチャ機能が付いていたのだから恐れ入る。ただしその機能を使った記憶はない。それでもビデオデッキと接続して、れっきとした14インチのテレビモニターとしても使用していたのだから、立派なテレパソであった。

TEL/FAX機能は十分に活用させてもらった。
XPにはFAX機能が標準で装備されているので、モデムがついているPCであればFAXの送受信ができるようになっている。ただし、ノートPCの場合、常時電話回線と接続して使うことはないので、常にFAX用機器としてPCを使うということはまずないと思う。
CanBeには、電話回線のモジューラジャックが付いているのだが、それがインプットだけでなくスルーも付いていたのである。つまり、電話機と電話回線の間にPCが直列に接続され、電話をかけるときはその電話機を使い、FAXの送受信にはPCを使ったのである。

最近我が家には、投資や融資の勧誘や商売の関係の案内など、様々なFAXが頻繁に入ってくる。しかしほとんど読まずに捨てるものばかりで、紙の無駄になっている。最近では、「見てから印刷」機能が付いたFAXが出始めているが、上位機種の場合が多い。こういった迷惑対策だけでなく、どうしてFAXのデータ受信や保存、加工の機能が進化しないのか私には不思議に思えてならない。

FAXをデータとして受信・保存できれば、必要なものだけ印刷でき紙の無駄にならない。また、データ変換してPCに取り込めば利用のバリエーションが大きく広がると思う。たとえばOCR機能で文字データに変換すれば文書がどうにでも扱えるようになる。技術的には少しも難しいことはないと思うが、このような製品は出ていない。このような製品とは、インテリジェンスFAXもしくはTEL/FAX機能の充実したPCである。

だからCanBeのTEL/FAX機能は大変有難く納得できるものだった。PCに向かってワープロで文書を作っている。完成したらワープロソフトは閉じることなく、そのままファイル−印刷で「FAX」を選択するとTEL/FAXソフトが立ち上がり、登録してあるアドレス帳から送信先を選択すれば、紙に印刷することなくFAXが送信できる。

また、受信したFAXはPCの画面上で確認した上で、不要な頭紙(送信状)などはカットして、必要なページだけをプリンタで印刷する。感熱紙と違い、レーザープリンターで出力したFAXは鮮明で劣化もしない。
電話がかかってくるとTEL/FAXソフトは自動的に立ち上がり、留守でもFAXを受信してくれる。

「FAXというものも今ではこのように進化したのか」と実感していたものだった。つまり、あの不鮮明で・クルクルと丸まってしまい・時間がたつと字が消えてしまう、どうにもファイリング(整理)ができなかったFAX用紙からついに我々は解放されたのかと思ったのである。ところがCanBeなき今、進化は逆戻りしてしまい、増加する勧誘FAXになすすべのない状況を抱えているのである。