「武力戦争によらずとも、国々の厳しい関係の現状を日本人はもっと認識すべき」ということを、ロシアのジャーナリスト殺害事件を元に考える

まず最初にこの事件の概要を紹介します。

プーチン政権批判の女性記者殺害 ロシア
2006.10.08

モスクワ──ロシアのプーチン政権によるチェチェン政策を率直に批判してきた女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさん(48)が7日、自宅アパートのエレベーター内で射殺体で発見された。検察当局は、ポリトコフスカヤさんの取材・執筆活動と何らかの関連があると見て捜査を進めている。

現場からは拳銃や弾丸が発見された。また、ロシア通信が警察当局者の発言として伝えたところによると、遺体の2カ所に銃撃された跡があり、うち1カ所は頭部だった。

モスクワを拠点とする記者団体の関係者によると、ポリトコフスカヤさんはこれまでに度々脅迫を受けいていた。2001年には市民に対する残虐行為への関与を糾弾された警察当局者が報復を計画していると電子メールで警告され、ウィーンに数カ月間逃れた。数カ月前には車を運転していたポリトコフスカヤさんの娘も、武装集団に襲撃されそうになった。

ポリトコフスカヤさんはロシアが2度目のチェチェン進攻を実施した1999年から、難民キャンプや、戦闘で負傷し入院したロシア兵に対する取材活動を続けてきた。ロシア兵らが市民を殺害したり、拷問や暴行を加えている実態を伝えたため、ロシア当局と対立していた。

04年のベスラン学校占拠事件の際にチェチェン入りする途中、機内で出されたお茶を飲んで一時深刻な容体となった。学校を占拠した武装勢力との仲介に向かうとみられていたポリトコフスカヤさんの殺害を狙い、何者かがお茶に毒物を混入したものとみられている。

(以降は後日に記述予定)