近々行われる作農料理人の講義の内容

6/30は高崎商科大学のゼミで講義を行います。これは、一昨年頼まれて行なってから今年で3回目になりますが、毎年続けて依頼されているものです。講師依頼の内容は「セールスアドバイザー演習」という名目ですが、実際に商売を行っている人の生の声を聞くというのが主旨のようです。私は「セールスアドバイザーはできませんが」と申し上げましたが、「実際にやっている仕事のことを話してもらえればよい」ということで引き受けた経緯があります。

基本的には、わしズムに掲載された論文の中で一番反響の多かった「アジフライ論」を中心に、「本物の商品」ということを話してきました。今年もその話をするのですが、去年までと少し変えて、前半に外食産業の状況分析を話してから、アジフライに入っていく予定です。そこには、現在の食を取り巻く状況のコントラストが描かれることになります。その講義のためのメモの一部を以下に転載します。

2006.6.30
高崎商科大学 大宮智江ゼミ
10:30〜

テーマ「個性的で魅力ある味を考える」

1.自己紹介
・資料「自給屋と作農料理人について」


2.最近の外食産業の動向

①外食産業の規模(売り上げ) 29兆円→25兆円

②マーケット
   成長       成熟      衰退

○定食    ○ファミレス
9年間で229%
・健康志向
・和食への回帰→団塊の世代 30〜40代の時家族でファミレスに

③時代背景
・単身、高齢、少子
・安全、安心、新鮮
・便利志向

④事例紹介「まいどおおきに  食堂」

(この詳細は掲載できないので略します)

3.アジフライから考える料理の本質
①アジフライに対する認識→つまらないものと思っていないか
②フライ料理の起源→トンカツのはじまり
③フライとして残ったものは→鮭フライ× ほかの料理の方がうまい
   イカフライ△うまい火の通し方からフライ向きではない サバフライ?イワシフライ?
カキフライ○
エビフライ○
アジフライ○
④誰がアジフライをまずくしたのか
⑤作農料理人のアジフライの作り方


4.あなたは何を目指すのか
金もうけを追求するのか 人を喜ばせる仕事をするのか

聞く人が聞けばものすごく有益な内容です。大変高度な話ですが、決して難解ではありません。聞いた人が価値を見いだすかどうかが問題です。商科大の諸君、がんばって聞いてください。

また、7/8には、藤岡の緑陵学院というフリースクールで講義を行います。こちらは講師陣の一人になっているのですが、講義を行うのは一年ぶりです。こちらでも本来はわしズムに関連する食べ物の話もしたいのですが、この3年間、自分でも学問研鑽を重ねてきて、意欲ある若者には、やはり「学ぶ」ということの根本から話していかないといけないと思うようになりました。それで、今回は、私が考え出した概念「存在通史」というものを中心に話をします。こちらは見学も可能ですので、興味のある方は私の方に連絡してください。ただし狭い教室なので、見学できても1名か2名です。7/8(土)午前11:15からです。