靖国問題に関するいくつかの疑問

先日の櫻井よしこの講演は大した収穫はなかった。だいたい知っていることばかりだったが、話の偏り方は異常である。この件については後で書くとして、講演会でも話題に出ていた靖国問題に関しての疑問を書きとどめておく。

1.どうしてA級戦犯14名の合祀が1978年(昭和53年)まで引っ張られたのか。戦犯の日本国内での名誉回復が、社会党の堤ツルヨ議員らの強力な後押しで、戦後まもなく行われているのに、A級戦犯の合祀だけはかなり遅れて行われたと思わざるを得ない。なぜこの時期になったのかが書かれた文献に出会っていない。

2.昭和天皇が参拝をやめた本当の理由は何か。サヨクは「A級戦犯が合祀されたから」だという。小林よしのり著「靖国論」の中では、1975年当時の首相三木武夫が絶対にいってはいけないこと「三木個人としての参拝である」を言ってしまい、これ以降靖国参拝が左翼の政争の具にされた、と述べた上で次のように書いている。「それまで数年おきに行われていた天皇靖国御親拝もこの年を最後に現在まで行われていない」(靖国論31p)