永田メール疑惑に対する新説「副島理論」

現在、吉井町の議会議員として色々問題のある予算書の審議などで忙しく、国会の報道などはチェックしている暇がないのですが、民主党の永田議員の「いわゆるガセネタメール」について各所で審議され報道が行われているようです。

私は、以前に見た糸山英太郎氏のブログで、「金はもらっているに決まっている。しかし、振り込みでもらうようなバカな国会議員はいない」という見解が、説得力があり真実に近いと思っていました。糸山氏の論理で行くと、件のメールは最初から偽物であり、そんな真実性のないものを信じて取り上げた永田議員が愚かであったという結論になります。

ただこの場合、腑に落ちないのが党首である前原氏の対応です。前原氏は終始一貫して、「永田メールは真実であり、口座もつかんでおり、間違いはない」と強弁していました。この前原党首の態度が問題の真偽を惑わせていたわけです。

本来責任ある党首の立場としては、永田議員が質問をする前に、その信憑性を確認してしかるべきでありますが、仮に確認をしていないのであれば、根拠も確認しないで永田議員を援護射撃するなどということはするはずがありません。糸山氏の論理で行くと、この「前原党首の言動が説明できない」という矛盾が消えず、どうしても引っかかってしまうのです。

そこで、「前原は自民党と組んで、民主党を弱体化させているのではないか」という陰謀論になり、問題の核心をうやむやにする思考になってくるのですが、これではどうもすっきりしません。すっきりしない中で、私も床屋論議で「前原はおかしいのだ」と人に語っていましたが、自分の中ではなんかもやもやした状態でいたことは確かです。

そこに、副島隆彦氏による新しい見解が現れました。副島氏は「副島隆彦の学問道場」の重たい掲示板に自説を展開しました。その主要部を引用します。

私の考えでは、永田寿康(ながたひさやす、37歳)議員が、国会に持ち出した堀江メールは、本物だと今も思っています。 どうして、それが、「情報提供者を明らかにできない。信頼できない人物だ。連絡が取れない」などどいう理由で押しつぶされたか。

それは、現実政治は、実力のある政治家の政治家生命(玉、たま)を取りにいったら、本当の殺し合いになる、ということを、30台、40台ぐらいのガキの民主党政治家たちが知らない、分からない、経験が無いからです。 命がけになると自民党の、裏も表も本当は、組織暴力団そのものである、こん政治のプロ(ウ)の集団は、「本当に殺すぞ」という、動きをするのです。武部勤(ブブキンとあだ名されている)ぐらいの人間になると、いざとなったら政治暴力団や右翼のおそろしい人間を、数十人は動かす。あるいは、政治警察の中に一番おそろしい部隊を使う。ブブキンの本当の親分の政治家がそれをやる。

 新聞記者たちは、そういうことを知っているのに、書かない。どうやってみても書けはしない。それが現実の本当の政治だ。情報と仲介した西澤孝(にしざわたかし、32歳)というお調子者の人物や、「きっこの日記」に関わって文章を書いていた者たちは、みんな死ぬほど怖い目にあって、暴力団の中でも一番怖(こわ)い人間たちによって、おそらく今も、半殺しの目にあっているはずです。こういう現実政治のコワサを、本当は、真実の言論の力で、私、副島隆彦は、すべて書いて、表現したい。今日は、これぐらいしか書きません。

本物の大人たちなら、こういうことは分かっているのです。みんな本当にコワイ世界のことは、表面世界には伝えないことになっているのです。書いてもとても理解してもらえないだろう、とあきらめるようです。 そして、日本の最強の、最恐怖集団である、一番おそろしい汚らしい実力政治家たち(本当は、この人たち自身が、全国広域暴力団の真の最高幹部たちなのだ)でも、ニューヨークの金融財界人たちの前では、ぶるぶる震える動物のようになる。世界基準の暴力装置の前には、日本の政治恐怖力などたいしたことはない。 こういう一番大きな構造体で世界を見なければいけない。

 アホの前原誠司(まえはらせいじ)民主党代表などは、自分たち松下政経塾系の、アメリカの民主党(ソフト派グローバリスト)にくっついている者たちは、日本の組織政治暴力団の攻撃は受けないと、勝手に思い込んだのが甘かった。 

今年の9月の民主党代表戦には、小沢一郎が出馬するでしょう。そして自民党と最後の戦いをやるでしょう。それで小沢一郎の最後の戦いとなります。

私が、あの堀江メールは本物だ、と思うのは、ごく普通の賢い大人たちの考えと全く同じです。
あれは偽物だ、とは誰も言っていない。言っている人たち自身が、そうだとは信じていない。
「本物だと証明してみろ」というおそろしい脅迫がかかったから、偽物だということになっただけだ。

この副島理論によれば、前原党首の言動も説明がつくことになります。ただし、糸山氏が述べている「振り込みはしない」という部分に対しては疑問が残ることになりますが、「メールが偽物であった」という考え方よりも矛盾点が少なく、真実に近づいたという到達感が生じます。

それで、面白おかしく対岸の火事で見ている立場として、こういう結論は好きではないのですが、末端の一国民には相変わらず真実は分からないということになるのでしょうか。最後まで真相は藪の中になるのでしょう。