年賀状のマナー

sakunou2006-01-07


先日NHKのラジオを聞いていたら、マナーに関する相談のコーナーというのがありました。珍しい番組だなと思いながら、車で移動中のわずかな間だけでしたが聞いていると、初老の女性から次のような質問がありました。

30代の息子夫婦から来た年賀状に、3才の孫(男の子)が素っ裸で陰部丸出しの写真が印刷されていた。いくら何でも常識をはずれていると思い、次のように注意しました。「年賀状とは、相手の家に御挨拶に出かけるのと同じこと。裸の写真を載せるのは、裸で御挨拶に行くようなものではないか。こういう非常識なことはやめた方がいい」。

これに対して、息子夫婦や息子の兄弟からは、「余計なお世話」と言われたそうで、ラジオの回答者(先生)に対して「どう思いますか」というものでした。ラジオの回答者は次のように応えていました。

私も全く同感です。乳児(1才未満)ならまだ許せるとしても、3才というのはすでに物心つき始めた子供であり、その裸を年賀状に掲載するのは常識をはずれている。会社の上司にも同じものを出したということだが、そもそもプライベートで出す年賀状と仕事関係に出すものは分けるべき。親しい人ならいざ知らず、子供や家族の写真を送られても、子供のできない夫婦や、結婚できない独身の人もいる。だいたい他人と違う珍しいことをやるのが個性だとか気の利いたことをやっていると思っているのだろうが、勘違いも甚だしい。親や周りの人が注意してしかるべきことだ。etc・・・

私のところにも年賀状が届きましたが、気になっていることが一つあります。それは、子供の写真だけを印刷してくる人が結構いることです。以前どこかで次のような川柳を見ました。

年賀状 あなたの顔が 見たいのよ

よく意味が分かるし全く同感です。自分のかわいい子供の写真を撮って、それを載せたい気持ちは分からないでもないですが、そういうものは自分の家のアルバムに貼って、家族や訪ねてきた友人と楽しめばいいのです。受け取る方にしてみれば、子供の写真だけ送りつけてきて、いったい何なの?と思います。写真を印刷するなら、家族全員の写真か、あるいはその手紙を書いている本人の写真が適当だと思います。

私の家はここ数年、年賀状をつくるたびに家族が増えていくような状況だったので、特に妻の実家がある石川県の、滅多に会うことのない親戚や友人への出産のお知らせの意味もかねて、家族全員の写真を掲載して送っています。今年の年賀状では、子供が3人になってしまったので、私と妻で交代に撮って、家族5人を2枚の写真で掲載して送りました。

今年小学校に行く予定の長男には、はじめて保育園の友人2人から年賀状が来ました。返事を出すために、親が体裁をつくってやり、一言だけ本人に書かせました。このように子供が成長して、自分で年賀状を書くようになれば、自ずと家族の写真なども掲載しなくなると思います。私は、結婚する前は、びっしりと文章を書いた年賀状をつくっていました。年賀状というもの自体あまり肯定的にとらえておりませんが、個人として出すなら、メッセージを込めて出したいというのが「理屈言い」の心情です。早いところ「家族年賀状」からも卒業したいというのが本音です。

*年賀状の写真は日本郵政公社HPhttp://www.japanpost.jp/より転載