私のPC履歴9 妻のVAIO・PCG-FR55/B


2003年の春に地元の町会議員選挙に立候補して当選した。たいした準備もしない中、短い期間で選挙戦に突入し、多くの人に迷惑をかけた。特に選挙中は家族や手伝ってくれた知人に大変な思いをさせたと思う。その償いの一環として、妻にPCを買ってやることにした。

しかし、ここで述べるのも何だが、私の妻は根っからの機械音痴であり、元来PCなど使うことのない人種であった。しかし私が四六時中使っているのを横目でみていたのであろう。その中で特にインターネットの有用性というものを感じていたのだと思う。

機械音痴の妻でも、興味のある分野については知りたいことが山ほどあったようだ。探求心は人一倍である。それを満たすのに、PCは有用であるのではないかと感じ始めていたのである。

また、当時は二番目の子供が手を離れつつあったので、生活に余裕ができはじめていた時期であり、家庭から外に出る機会をうかがっていたようだった。また、その背景には、遠方(石川県)から嫁いできたので、近くに親しい友人がいないという状況もあったのだと思う。

機械音痴の妻のPCなので、機種選定は私がした。選定とはいっても使い道も置く場所も限られているし、最初からVAIOノートと決めて電気屋に行った。私がVAIOを買ってから2年が経っており、性能はアップして値段は下がっていた。その当時、ノートPCは主流が15インチ画面になりつつあったが、私は最初売り場にあった14インチのVAIOを買おうと思い店員を呼ぶと、店員は「あと5000円出せば15インチのものが買えますすよ」と言った。その値段は17万円だった。

一瞬迷ったが、「時代は15インチなのか」と軽く考えてそのPCを購入した。それがPCG-FR55/Bである。主なスペックを以下に示す。

CPUに関してはよく分からなかったが、メモリー・HDDとも私のVAIOからみて2倍になっていた。今になって思うと、XPが快適に動作する環境になっていたのだと思う。前に書いたように、MEインストールモデルをXPにバージョンアップした私のPCは、立ち上がりや動作に不満があった。そして、深く考えないで買ってきた妻のPCだったが、いざ使ってみると機能の差に嫉妬した。

そこで私は、妻の新しいPCを自分用に使おうと画策したのだが、結局データの移行などが面倒くさくなってあきらめることにし、予定通り妻が使うことになった。

妻は自分のPCを試行錯誤で使い始めた。PCカードスロットに無線LANカードを入れたり、メールを使えるようにしたり、環境を整えてやった。私はというと、妻のXPインストールモデルを横目でうらやましく思いつつも、14インチのVAIOで作業をしていた。

ノートPCとはいえ、狭い家に2台もあると意外とじゃまになるものだと感じた。使わないときでも、座布団のように重ねて置くわけにもいかない。また、デスクトップのように置く場所が限定されていない分、どこに置くのか決まっていないことが煩雑に感じることもあった。

それでも妻は徐々に使い方を覚え、ついには自給屋の会計をPCに入力し、確定申告を行うまでになった。変われば変わるものである。あの機械音痴がここまで使いこなすとは思わなかったのだ。しかし妻のPC購入から2年後、3番目の子供が生まれることになり、それをきっかけとして我が家のPC環境が変わっていくことになるのだが、それについては後述することにする。