テレビとPCの融合そしてネットワーク

地デジ(地上デジタル放送)がここに来て全国の主立った地域で受信できるようになり、脚光を浴びてきました。完全な移行は2011年7月で、まだ受信できない地域もあるようです。

気になるのは、自分の家で受信できるのかどうかということですが、それについて以下のように調べてみました。まず「地上デジタル放送推進協会」のHPhttp://www.d-pa.org/で「放送エリアの目安」を地図上で確認してみると、どうも我が家は放送エリアのはじっこの方に入っているようです。

次に、この協会に電話をして、現在のアナログ電波の受信状況を伝えたところ、「まず大丈夫です」との回答でした。また、電気店のテレビ売り場で聞いてみても同じ答えでした。さらに、店のお客さんが持っていた「ワンセグ」受信機能の付いた携帯電話で電波を受信してもらったところ、家の中では写らなかったのですが、家の外では受信することができました。この、ワンセグで受信できる意味を協会に聞いてみました。電話に出た担当者の話は次のようなことです。

ワンセグ端末の受信については、アンテナも短く、受信している場所も屋根上のアンテナから比べてずっと低い位置(悪い条件)にあるので、ワンセグで受信できるということは、その場所は地デジの本放送が受信できるでしょう。

ここまで確認すれが、ほぼ9割は大丈夫だろうと思います。しかし、現在の放送エリアの隅っこにいる立場としては、高価な受信装置を買っては見たものの、いざ繋いでみたらだめだったというのでは困るので、何か確認する方法はないのかと協会に尋ねてみました。たとえば、協会を通じてテスターのようなものを貸し出して、それをアンテナに繋いで確認する方法はないのか、ということです。残念ながら、そのような確認方法はないということでした。どうしても確認したいなら、電気屋に有料で調べてもらえば、と言われました。

全国で、地上デジタル放送が受信できるようになってきて、その受信機も色々な機種が出てきています。その中で私が期待をしているのは、いわゆるテレビパソコンです。ここ数年でパソコンの環境もずいぶん変わり、ブロードバンドや光通信に代表されるような、安価で高速なネット環境が現れています。その意味とコンテンツの進化は、つまり動画を配信できるということです。そして、そのことはテレビとパソコンの境界がなくなってきているということです。

技術的には、テレビとパソコンを一体化することは簡単なようです。また、そのことによって、使い方や楽しみが広がると思います。ところが、それを阻止したい勢力があるということです。それが放送局です。

「テレビのネット化」で深まる家電メーカーと放送局の溝
ネット対応テレビは簡単に作れる
 メーカーが開発するネット対応テレビの使い勝手は至って簡単だ。アンテナにつなげる感覚で,テレビをネットにつなぐだけでよい。あとはリモコンを操作すれば,映画を見たり,ニュースや株価をチェックしたり,お寿司を注文したり,ゲームで遊んだりと,テレビの世界が一気に広がる。日本中のほとんどのテレビで,そんなサービスを利用できるようにしたいというのが,家電メーカー各社の願いである。

 技術的に見て,そのデジタルテレビにネット機能を持たせるのは簡単なのだ。もともと地上デジタル放送は「双方向テレビ」というコンセプトの下で規格化されており,デジタルテレビを使ってクイズ番組に回答したり,番組からのプレゼントに応募したりできる設計になっている。このためデジタルテレビには,通信回線をつなぐ端子やブラウザなど,テレビ局とデータやり取りするための機能が満載されている。メーカーはそれらの機能をネットに接続するために転用すれば,ほとんどコストをかけずにネット対応テレビを作れる。

画面はテレビ局の縄張り?
 そんな家電業界の動きを警戒する人たちがいる。テレビ局関係者だ。テレビ業界にとって,テレビ画面は商売の最前線である。テレビ画面にCMを映し出すことで,スポンサーから広告料をもらっている。そのためテレビ局には,「テレビ画面はオレたちの縄張りだ」という強い意識がある。

 例えばテレビ局の関係者は,家電メーカーが「マルチウインドウ機能」をテレビ受像機に付けただけで眉をひそめる。同時に二つ以上の番組を画面に表示することができる機能である。裏番組をチェックするのに便利なので,使っている読者も多いだろう。単にそれだけの機能なのだが,テレビ局の関係者は,マルチウインドウ機能が付いたテレビ受像機を作っているメーカーに,「やめてほしい」と文句を言ったりする。自分たちの思い通りに画面の隅々まで番組を映してもらわないと,我慢できないのである。

これについては『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』という本に詳しく書かれているそうです。

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

さらに引用を続けます。

日本メーカーが連合を組む
 米国IT陣営の脅威に突き動かされて,日本の家電業界はテレビ受像機のネット対応を進めている。すでに松下電器ソニー東芝などがそれぞれネット対応デジタルテレビの商品化に乗り出している。

 さらに家電連合まで作って,ネット対応テレビを推進し始めた。松下電器産業ソニー・シャープ・日立製作所東芝という日本を代表する大手家電5社に,ソニー系のプロバイダ(インターネット接続事業者)であるソネットエンタテインメントを加えた6社が2006年7月,ネット対応デジタルテレビ向けのポータルサイトを運営する会社を共同で設立したのだ。社名は「テレビポータルサービス」,サイト名は「アクトビラ」。映画やドラマ,ニュースなどのコンテンツを集めて,視聴者が見たいときにテレビ画面を通じて見られるようにする。

 テレビポータルサービスが掲げる普及目標は衝撃的だ。日本に出回っているデジタルテレビの,7〜8割をアクトビラに対応させるという。現在出回っている1億2000万〜1億3000万台のテレビ受像機がすべてデジタルテレビに置き換わったとき,そのうちのなんと8400万〜1億400万台は,アクトビラに対応する計算だ。デジタルテレビのシェアの大半を握る大手家電メーカー5社が力を合わせれば,それぐらいの普及台数は簡単に実現できてしまうのだろう。アクトビラ対応のデジタルテレビのうち,実際にネットにつなげる比率が1〜2割にとどまったとしても,840万〜2080万台にもなる。利用者が多ければ,人気の高いコンテンツがどんどん集まる。そしてサイトの評判が高まり,さらに利用者が増える。アクトビラは自己増殖的に巨大化するかもしれない。

ここに出てくるアクトビラというものが、今後どのような展開をするのか気になります。来年2月1日にこのサイトがオープンするようなので期待したいと思います。http://actvila.jp/service_summary.html

また、NGNという技術もあります。

NGN

 現在別々に構築されているインターネットサービス用IPネットワークと電話サービス用の電話網を、IP技術を用いてQoSやセキュリティを向上させたIP通信網として統合し、現行の公衆網を代替する次世代IPネットワークのこと。電話だけでなくテレビ放送もIPネットワークで統一的に提供しようとする動きも進められている。

 NGNが備えるべき特徴としてはエンドツーエンドQoS保証の提供、モビリティのサポートなどが挙げられる。NGNを実現するためには通信事業者やサービスプロバイダが異なるネットワークを相互接続し、すべてのユーザにサービスを提供できるシームレスなネットワーク環境の実現が必要である。そのためには国際的な標準化を進める必要性があり、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)などを中心に標準化が進められている。

 日本では通信事業者などが具体的な技術課題を検討する「IPネットワーク設備委員会」や産官学が連携して課題に当たるための「次世代IPネットワーク推進フォーラム」が設立されている。

このような状況で、どういう機種を選択していけばいいのか、迷うところです。また、その迷いの一つに、テレビなんか見ない、ということも考えられます。我が家では、NHKと契約して受信料を払っていますが、現状は子供が図書館で借りてくるビデオのモニターと化しています。また、見たいと思うような番組もほとんどありません。ですから、地デジが見られるようになっても、テレビ番組がよくならない限り、利用の機会は少ないのではないかと思うのです。

それでも技術は進み、4年半後には今のテレビは不要になってしまいます。今後ソフトがどのようになっていくのかも注視する必要があると言うことです。