ジャレド・ダイアモンド「文明崩壊」読了とNHKスペシャル「気候大異変」を見ての見解(取り急ぎ)

実はつい先日、ジャレド・ダイアモンド氏の「文明崩壊」を読了しました。特に後半のさらに最後の考察の部分は、地球環境に対する氏の情熱を含めた分析が、見事なまで伝わってきました。それに対して、私自身も、新たな行動を考えたり、これまで行ってきた活動や思想をさらに加速させることを決意した次第です。

前作は考古学的な学術書であったのですが、本書は現代人に突きつけられた思想書です。同時に、環境問題を強烈に取り扱った書でもあり、ジャレド氏が熱烈な環境運動家であることを証明した本でもあります。これだけ、現実的な環境運動にまで言及した人物は、日本で環境を叫んでいる言論人にはいないと思います。

ところで、この本を読み終えたすぐあとで、NHKで「気候大異変」という番組が放映されました。18日・19日の二夜に渡ってです。仕事中だったので、録画したもののうち、最初の日の放映分を先ほど見ましたが、これだけ悲観的な構成の番組は、近年では珍しいほどでした。「文明崩壊」を読んだすぐあとだったので、過去から未来・日本から世界という縦と横の軸を頭の中で巡らしながら考えたのですが、やはり自分が十数年前に危機感を感じて脱サラをして、それから色々やってきたことの意味の重さを改めてかみしめています。

人間の目先の社会や世界では、国際関係や経済やホリエモンや皇室や色んなことが課題になっていますが、結局環境をさておいて何も語れない。迫り来る環境の変化にどう対処していくのか。社会をどうこうすることが間に合わなかったときに、最後は個人の決意や諦観のあり方に帰結するしかないのではないかと、それを準備していかなければならないと感じています。

「気候大異変」という、この悲観的な番組は、心の準備ができていない人にとって、大変なインパクトがあったのではないかと思っています。この番組を見て、自殺してしまう人もいるのではないかと、冗談でなく思いました。現実から目を背ける楽観論は必ずありますが、それについてはジャレド氏がきっちりと駆逐した上で、現実論を展開しています。

これら巨大な問題と課題について、整理して時間をかけて実践と見解を述べていくのが、私のライフワークでありますが、多少興奮した上での感想を本日のコメントとして記しておきたいと思います。