「私の、もったいない」に応募しました

最近話題になっている本で、「もったいない」というのがあります。

もったいない

もったいない

まだ読んではいませんが、久々に日本の文化で世界に誇れるものが発信されたようで、何となくほっとしているというか、溜飲を下げているというか、そんな気持ちになります。この本は、2004年ノーベル平和賞受賞者でケニヤ共和国環境副大臣ワンガリ・マータイさんの著作かと思ったら、マータイさんは序文に寄稿しているだけで、著編者は「プラネット・リンク」となっており、マータイさんの発見を紹介しているという形になっているようです。

ワンガリ・マータイ
 初めて日本語の「もったいない」の意味を知った時、世界へのメッセージとして大事な言葉だと直感しました。私はまず、もったいないの精神的なルーツにとても惹かれました。そして、長年、環境問題に取り組む中で掲げてきた合言葉「3つのR」(リデュース・ リユース・リサイクル)を、たった一言で言い表しているのが素晴らしいと思いました。私たちが住む地球を破壊に追い込む申告な脅威を減らすには、資源の無駄をなくし、使えるものは再利用し、そしてそうでないものはリサイクルするしかありません。

ここに出てくる3つのR (リデュース・リユース・リサイクル)とは次のようなことです。

  • Reduce(リデュース=ごみを出さない)
  • Reuse(リユース=ごみを再使用する)
  • Recycle(リサイクル=ごみを再利用する)

廃棄物をできるだけ出さない社会をつくるための基本的な考え方。
この言葉や概念は、環境先進国のヨーロッパから入ってきたようですが、私がこの言葉を聞いて思い出すのは、「地球村」という団体です。

地球村HPhttp://www.chikyumura.org/より

●『地球村』とは、国連などが提唱する飢餓、貧困、戦争、環境破壊などのない、「永続可能な社会」(幸せな社会)のことです。
●ネットワーク『地球村』とは、『地球村』(幸せな社会)の実現のためのネットワークです。
●活動の基本:
  (1)事実を知る
  (2)できることから実践する
  (3)広く伝えていく(ネットワークする)

●基本理念は「非対立」
対立的姿勢ではなく、具体的・現実的な問題解決を提言する。 問題解決に向けて共に考え協力する。
●プロフィール:
  → 環境と平和のための国際NGO
    (国連ECOSOC特別協議資格NGO
  → 特定非営利活動法人(会員1万3千人 2005年05月 現在)
  → 会員はグリーンコンシューマ(環境に関心の高い人々)
    市民(サラリーマン、主婦、学生)だけでなく、政治家、
    弁護士、医師、教師  などあらゆる職種の人たちがいます。
 自分が日常できることから地域活動、全国活動、海外活動、国際活動まで、様々な活動を無理をせずできることから楽しくやっています。
より詳しくは、次をご覧ください!
いっしょにやりませんか?


もう5年以上前のことだと思いますが、地球村代表の高木義之氏の講演会に行ったとき、そこで聞いたのが前述した「3つのR」でした。

私が高木さんの講演を聴いて印象に残ったのは、ゴミ問題です。高木さんは日本とヨーロッパ、アメリカなど各国の焼却炉の数を比較して話をしました。その数は、日本が圧倒的に多く、「日本はゴミ大国だ」と罵っていました。日本の焼却炉が多い原因として、過剰包装などを揚げていたのですが、その事実から聴衆(日本人)を自虐的恐怖に追い込んだ上で、3つのRが重要で、地球村に入ってグリーンコンシューマーになろう、と呼びかけていたのです。

高木さんの話を聞くと、なるほどそうなのか、と思ってしまうのですが、私はそれに違和感を覚えた上で、日本人の特性などを考慮した結果、次のような考えに至りました。

  • 日本に焼却炉の数が多いのは、清潔好きな国民性から、こまめにゴミを燃やしている結果ではないのか
  • 浪費大国のアメリカに焼却炉があまりないというのは、別の理由があるのではないか
  • 確かに日本は過剰包装が多いかもしれないが、それは「ものを大切にする心・ものにも魂が宿っているという感性」からきているもので、その結果ゴミが増えているかもしれないが、その一面だけをあげつらっても根本的な解決には結びつかないのではないか

実際、わしズムの初期に執筆していた小林至氏のHPに、アメリカのゴミ処理事情について書かれていたのを発見しました。小林氏は「少なくともフロリダ州は、ゴミの分別などせずに、穴を掘って埋めていた。他の州も同じではないか」とありました。私の予測は当たっているような気がしてきました。だいたい、石油が発見される前は、鯨を乱獲し、その脂肪分だけとって後は海に捨てていた国です。そんな国があっという間に環境先進国になれるのか。

高木氏の講演全般には、日本=悪というニュアンスが終始漂っており、なんだか左翼のアジテーションを聞いているようだと思っていたら、案の定、高木氏はかつてヤマギシ会の特別講習研鑽会(特講)に熱心に通っていたという事実を知りました。そうすると、地球村とは共産主義の亜種ではないのかという疑いも出てきます。
ヤマギシ会(フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)
地球村もいいことを言っているのかもしれませんが、活動が抽象的で、講演会しかやっていないという印象です。会員の出入りが激しいとも聞きますが、何をやろうとしているのかもよくわかりません。

かくいう私も、環境運動家なのかもしれません。そして、なかなか広まらないことを広めようとしているのかもしれません。そんな中で、「もったいない」の出版社であるマガジン・ハウスが主催した「私の、もったいない」という企画に、私の実践を応募してみました。http://book.magazine.co.jp/pickup/mottainai/
優秀作品は本にまとめて出版されるということですが、果たしてどうなりますか。審査発表は来春ということです。

「私の、もったいない」それは「うんちとおしっこ」です。もちろんそれは人間の糞尿であり、私自身のものです。それがなぜもったいなくて、どのように利用しているのかを紹介したいと思います。
江戸時代の日本では、人間の糞尿は農作物の肥料として貴重なものでした。都市と農村は、食べ物(農産物)と糞尿をうまい具合に流通させることで、高度なリサイクル社会を実現していたといえます。今では化学肥料を使い農地から多くの収穫が可能になりましたが、そういうものがなかった時代には、何を肥料にするかということは切実な問題でした。ですから、家畜や人間の糞尿は、農作物を育てるためには大変貴重なもので、お金を出しても欲しかったということです。
本来このように価値のある糞尿も、現代では臭くて汚いものとして、浄化槽や下水処理場で、微生物や薬品の力で分解した上で、川や海に捨てられています。私は、この価値のある糞尿を、(水洗便所という)大量の水で流すことに違和感を感じていました。つまり「もったいない」と考えていたのですが、ある時すばらしいものに出会いました。それが手作りの「バイオガスプラント」というものです。このプラントは、糞尿や生ゴミを投入すると、それをゆっくりと分解して液体の肥料にしてくれます。私はこの肥料で、無農薬有機栽培の野菜と米を自給しています。つまり自分のうんちとおしっこで食べ物をつくり、それをまた食べるというリサイクルを行っているのです。これには電気などのエネルギーは一切使いません。そのうえ、その名の通りガス(メタン)を取り出すことも出来、それで調理も出来ます。無酸素発酵で寄生虫の卵も死滅するので、直接糞尿をかけていた昔と比べ安全性も確保されています。これは糞尿を生かす大変優れた手作り装置なのです。