環境のことを考えながら「ラーメンスープ」をとる その2

sakunou2005-11-06

究極のエコロジカル皿洗いの発見

私の生まれた家の近くに、小さな町工場がありました。そこに私と同級生の息子がいたので、その家にもよく遊びに行っていました。その工場は旋盤で金属加工をしており、従業員は手を油まみれにしながら働いていたのですが、彼らは仕事が終わると特殊な石けんで手を洗っていました。その石けんは一斗缶に入っており、半固形状のマーガリンのような状態で、さわるとざらざらとして砂粒のようなものが混ざっていました。

この「工場の石けん」の記憶も、エコロジカル皿洗いの発見につながったのですが、前回述べた「キレート作用」について話を続けます。

もともとこの作用を知ったのは、玄米の効用が書いてあった書物からでした。玄米は、白米に精製する前の状態の米のことであり、その表皮に各種ミネラルやビタミン、そして食物繊維が豊富に含まれており、これが健康によいというのが代表的なうたい文句です。

このキレート作用のある表皮は、白米になると失われてしまいます。失われた表皮はどこに行ったのかというと、おわかりの通り「米ぬか」になっているわけです。今や日本国民のほとんどが白米を食べていますが、今のところ「白米のなる稲」というものは開発されていないので、日本中でものすごい量の米ぬかが出ることは想像出来ると思います。
*精米の歩合によりますが、玄米を精米すると約1割の米ぬかが出ます。
私の知る限り、これら米ぬかの行き先は、漬け物業者、菌茸業者、家畜の飼料、田畑の肥料です。その他油を抽出したり化粧品の原料になっているかもしれません。私の家でも鶏を飼っており、その餌の一部として米ぬかを使用しており、米屋から一袋(20kg)150円で買ってきます。

さて、ある日何かの作業で手が油まみれになったとき、たまたま近くにあった米ぬかが目に入り、そして、小さい頃の町工場でみた風景がオーバーラップし、思わず米ぬかに手を突っ込み、米ぬかを手でこねくり回すようにすると、あっという間に油汚れは落ちてしまいました。しつこい油汚れは、石けんで落とす場合は何度も洗い直さなければなりませんが、米ぬかで大方の汚れを落としてしまえば、後は一回石けんで洗うだけで済みます。

しつこい油汚れといえば、前回に述べたほ乳動物の油脂です。米ぬかがこのしつこい油の皿洗いに応用出来るだろうと考え、器や鍋の油汚れを米ぬかで洗い落とすことを考えつきました。ある意味、玄米を食べておなかの中で行われているキレート作用を、皿洗いに適用したことになりますが、この方法により、大方のしつこい油がとれて、エコロジカル皿洗いが実現することになりました。

これに加え、さらに別の発見があり、究極のエコロジカル皿洗いへつながっていきます。

<つづく>